正月二日もただしく、うららかであった

 いかにも正月といったうららかな日である。
 今ふと気づいたのだが、この二日間、ぼくはテレビを観ていない。ラジオも聴いていない。新聞も読んでいない。おせちに代表される正月料理もたべていない。ただひとり、ぽつねんとこのひたすらしずかなこの広い六人部屋に居て、たまに散歩がてらにイップクしにゆくくらいである。
 つまり、まったく正月らしいものに触れていないのであった。つまらん。べつに旅行がしたいとか、何かのイベントに参加したいといった大仰なことではない。ちょっとだけでいいので、「ああ、正月だなあ」と感じられるようなものに触れたいのである。
 そう考えると、正月というのは日本人とっては最大のイベントなのだなあ。

 主治医の最初の宣告では、去年の暮れにはぼくは死んでしまっているはずだった。それがわずかに伸びて、今まだこうして生きて正月を迎えられている。だからといってべつにドンチャン大騒ぎをしたいわけでもない。「ああ、そうなの? 伸びたの?」程度の気持ちである。この先も、いつまで生きられるかはわからない。
 どうなることやら、である。