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人生のおわり

 なにやらやたらとうららかに暖かい。
 風もすっかり穏やかになり、元旦がやってきたかのようだ。関東では、だいたい三が日くらいはこんなうららかな日が続くのだ。
 病室では、正月の一時退院患者がどんどん出て行って、すっかりしずかになってしまった。ぼくの病室では、ぼくのほかに唯一残っていた向かいのベッドのひともついに出て行ってしまったので、広い病室にぼく一人が残されてしまった。わずかの間のぼくの天下である。

 体調は、相変らずの小康状態である。しりもすこしだけ改善の気配をみせてきた。善哉善哉。
 先日、主治医ともはなしたのだが、やはりぼくの身体はゆっくりとではあるが、確実に死へと向かっているようである。先日、木曜日の採血では芽球が四十八パーセントもあったらしい。
 正月明けから予定されていた次回のビダーダ治療はやめてもらうことにした。痛いばかりでたいした治療効果もなく、高熱や、皮膚がボロボロむけて来たり、そんな副作用ばかりなのでやっても無駄である。

 誰もいない広い病室で、自分の人生の終わりについて考えてみた。