部屋大入れ替え

 深夜二時。
 ひとりでタバコをふかしていて、ふいに、「あ、おれももう長いことないかもしれないな」と感じた。
 何の根拠も理由もない、そう感じたのだ。

 二、三日前、病室では一挙三人が出て行ってひとり入ってくるという大入れ替えがあった。この入れ替えでは、残念ながら隣オヤジは出て行かなかったが、そのかわりにヨッコラがめでたくご退院になった。しかし彼はもう遠くなったし、相変らずよっこらよっこら言っていたようだが、ほとんどぼくに影響は及ぼしていなかったのだ。去るにあたってもあいさつなどなしである。
 ヨッコラは、たまに廊下などで顔を合わせると、片手をあげて「ヨッ」とあいさつをした。これがヒジョーに腹が立った。いかに何でも、おまえごときに気軽に片手でひょいと挨拶なぞされるいわれはないわいと無視をしていたので、まあそこはお互いさまである。

 体調は相変らずである。じわりじわりとわるくなってくる。めまい動悸息切れも、もうヘモグロビン値とは関係なく常にそうである。
 しりも相変らずである。しりと目まいと相まって、ミズキの行き帰りは二度も三度も休憩せねば行かれない。このしりももう治ることもないのかもしれないなあ。