余命3か月

 余命がのびた。
 といっても、十二月までだったものが、一月か二月までになっただけのことなので、ほんのひと月かふた月のことである。
 ひと月ふた月でも伸びたのだからうれしいという気持ちは当然あるが、その反面、どうせ死ぬのであれば、ひと月ふた月と蛇の生殺しのようなことはやめてもらって、いっそすっぱりひと思いにやってくれという気持ちもないでもない。
 ともあれ正月は越せることになりそうなのだが、寝たきりとかそういう状態ではいやだなあ。そういう状態は極力短いに越したことはない。自力でイップクにも行けないのでは生きていても仕方ない。そこからまた回復の見込みがあるならまだしも、その先に待っているものが死だけなのであれば、自分の足で歩けなくなったら、あとは短いに越したことはない。

 そんなわけで、昨日は午後イチからは主治医面談があり、それが終わったらカヌー友達のゴリさんがやってきてひとしきりしゃべり、ゴリさんが帰ったら、今度はブルハ友達のベースのカワちゃんが奥さん連れでやってきて、面会時間ぎりぎりの夜八時までいた。
 さすがに午後からずっと人と会ってしゃべっていたのでくたびれ、ベッドに戻るなり眠ってしまった。
 しかしゴリさんもカワちゃんも、もう何度も、暇さえあればやってきてくれる。ありがたいひと達である。

 今日は歩くのが少々しんどい。
 血中の酸素があきらかに少ない。貧血状態である。
 余命が長くなった半面、この足で歩けなくなる日もそう遠いことではないのかもしれない。主治医が最初に歩けなくなると言った日から、もう二週間ちかく経過しているのだ。
 外は、冬の風が身を切るように冷たかった。