本日、芽球14%

 暖かい一日であった。
 今日も森が気持ちよくて長居した。

 今日は輸血が二種類、血小板と赤血球とあったので忙しかった。忙しいという表現はちょっと違うかもしれないが、そのぶん長時間ベッドの上に居なければいけない。べつに点滴をつなぎながらゴロゴロと点滴棒を押して歩き回ってもよいのだが、立ち上がると落差の関係で落ちがわるくなるので時間がかかる。なのでなるべくベッドで横になっているようにしているのだ。
 点滴は午前中に三種類、これだけでもう昼になる。そして輸血が到着していたら輸血をやる。そして午後五時にまた点滴が一本。したがって輸血がふたつあるということは、ほぼ一日中点滴に繋がれているということになるのだ。

 今日で余命宣告から三週間である。
 まだなんとか歩けている。
 本日の芽球は十四。わずかずつではあるが減ってきている。うちの三段目も三段目なりに一生懸命戦っているようだ。しかしこの戦いをどこまで続けるのか。本来、芽球などというものは末梢血中に現れてはいけないものなので、ゼロになるまで戦うのか。それも気の遠くなる話であると同時に、そこまで勝ち得るのかはなはだ疑わしい。かといって戦いをやめるというのは死を意味するのだろうから、おいそれとはやめられない。そこらへんを主治医はどう考えているのか、来週あたりまた詳しく聞いてみようと思っている。

 午後からお見舞いが二人やってきた。
 一人はロック弁護士の島くん、もう一人はベーシストのマサミ。
島くんはすごいやつで、バンドをやりながら四十代で思い立ったように司法試験に挑戦し、見事に受かって今はバンド活動の傍ら弁護士として活躍している。
 マサミは知る人ぞ知るブルハの初代ベーシストである。彼も今でもバンドをやっている。みな、芯の部分はまったく変わらないのがすごい。いつもながら、わざわざ遠くからありがたいことである。
 そんなわけで、今日もいい一日であった。