ぼくはきっぱりとあきらめた

「先生、それは今後の見通しに変化は生じないということでしょうか」
「はい」
 主治医のその言葉を聞いて、ぼくはきっぱりとあきらめをつけた。
来年にはぼくはもうこの世にはいないのだ。根拠のない希望は一切捨てようと。
 今日の主治医面談でのことである。

 朝から冷たい雨が降っていた。
 雨のせいか、身体のだるさが重かった。酸素が足りていない。
 幸い夜中は高熱が出ることはなかったが、このだるさはいかんともしがたかった。
 主治医の話では、たしかに白血病細胞と白血球は戦っているのだけれども、ドナー白血球は生まれたての弱い白血球なので、それは横綱対三段目のたたかいくらいのもので、白血病の圧勝は目に見えていると。
 高熱もどうやら白血病によるものらしい。
 この病室で、ほぼ最後を迎えざるを得ないこともあきらめた。まずまずぼくには分相応だろう。
 これからさらに弱っていく身体で何がなせるわけでもない。
 ただ黙って、静かに一生を終わろう。せめて見苦しくないようにありたいものである。

 今日はきっぱりと、そういう気持ちを新たにした。