芽球30%

 点滴棒がやっと外れた。
 あの重たいポンプも、電源コードの抜き差しも、ガラガラ引きずって歩くのも、すべてなくなり完全フリーになった。うれしい。
 といっても午前中は抗生剤やら輸血やらで相変らずつながれるのだけれど、午後はフリーである。今日はフリーを満喫し、ミズキへ何度も行った。そして今まではちょっとしんどくて敬遠していた外のコンビニまでも行った。自由とはかくも素晴らしいものである。

 今日は妻が来た。母も来た。そして夜になってから、タクシー時代の友人が突然彼女を連れてやってきた。明日は高校時代の友人が来る予定になっている。今週もお見舞いラッシュでありがたいことである。
 今日は熱も上がらず、比較的体調もよかったのでよかった。しかし、採血の結果からみるとぼくの血液の三十パーセントは白血病の白血球らしい。まだ何とか歩けてはいるけれども、ぼくの身体は確実に病に蝕まれているようである。

 今日から最後の抗がん剤ビダーザが始まった。これは本来ぼくらのような白血病に使う抗がん剤ではなく、もっと弱い薬なのだが、これが効かなければ万策尽きたということになる。もっともこの薬が効いたのは、この病院(本院を含めて)過去十数例のうち一例のみということだから、ドクターも、まあ間違って効いたら儲けもの程度の処方である。来週の今ごろはもう歩けなくなっているのだろうか。ぼくのような再発の場合、病気の進行がおそろしく早いというから、きっとそうなのだろう。まだその実感はあまりないが、身体のしんどさは確実に強くなってきている。