どら焼きと牛乳

 微熱が今日も続いている。立って歩くと少々つらい。
 食欲は相変らずふるわず、朝はロールパン二個、昼は抜き、夜は食べられるものだけ少しという毎日である。
 栄養は点滴で入れてもらっているのでそれだけでも生きてはゆけるのだけれど、さすがにお腹が減る。そこで看護婦さんに頼んで売店で適当なものを買ってきてもらうのだけれど、これがなかなか何にしたものかと迷う。頼んだはいいが売店で欠品になっていたら、頼まれたひとが困ってしまうだろうなどと考えたあげく、どら焼きに落ち着いた。どら焼きならたいていいつも置いてあるのだ。
 えらいもので、どら焼きは毎日食べても食べ飽きない。そしてどら焼き一個と牛乳を摂取すれば、そこそこお腹がいっぱいになる。今日も食べた。そして明日もおそらく食べるのだろう。どら焼きと牛乳の毎日である。
 そんなどら焼きを食べながら、この先生きながらえたら、これを見るたびに入院中の今の生活を思い出したりするのかなあなどと考えるのであった。