微熱

 寒い一日だった
 病棟内も冷えびえとしており、薄い恰好でうろうろしていたぼくは冷えが入ってしまったようで、午後から微熱が出て、軽いめまいとだるさを感じるようになってしまった。風邪のひき始めのようである。
 家にいるときは、こういうときには葛根湯を二、三包一気に飲んでじわっと汗が滲んでくるのを待つのだけれど、ここは病院なのでそう簡単に薬は出てこない。看護婦からドクターへ告げられ、ドクターの指示があって初めて薬剤部へ連絡が行き、それからしばらくしてやっと病棟に薬が上がってくるという具合で、なかなかちゃっちゃと進まないのである。というよりも、この熱が何の熱かわからないので様子見のうえ、さらに熱が上がってきたら血液検査をして感染の有無を確認した後に、解熱剤や抗生剤の処方になるとのことであった。
 もう、そんな面倒なことをしている間に、さっさと葛根湯をぼくにくれ。この熱だるさを今何とかしたいのだ。