今日はメンダンの日

 珍しく忙しい一日だった。
 午前中は、ソーシャルワーカーさんがやってきて、「何か不安なことはありませんか?」だの、「私たちが全力でサポートしますから」などと励ましてくれた。僕は今は心も身体も安定しているので、「よろしくお願いします」と言っておいた。
 午後からは、母親を交えてドクター面談があり、今後の処置についてや、副作用などについての説明があった。それらはもうほとんと僕の頭の中に入っていることなので特に質問もなくおわった。
 そこへ突如、カヌー時代の友だちがやってきた。彼が来てくれたのはこれが二度目である。義理に篤いひとである。お見舞いにお菓子をもらった。病室がバタバタしていたので、二人でミズキへ行ってしばし話し込んだ。彼の、日焼けしたいかにも健康そうな顔を見ていると、「ああ、健康というのもわるくないのだなあ」と思った。
 彼が帰ったあと、看護婦とまた移植のことや無菌室のことなどについて話をした。
 移植のことや、それに伴う副作用、そしてGVHDについてはたいがい頭に入っているので今さら説明を受けなくてもよいのだが、そうやって入れ替わり立ち代わりいろいろな人がいろいろ話をしてくれると、ああ、いよいよなのだなあ、と思う。来月五日に無菌室――別名強制禁煙隔離室――へ引っ越すまでのこの数日間は、嵐の前の平穏のような心もちである。
 はたして鬼が出るか蛇が出るか、やってみないことにはわからないが、ここまできたらあとは流れに乗ってゆくのみである。