無菌室への移動は、9月5日に決定

 台風が過ぎ去って、関東は今日の日中は雨の予報だったが、ここでは降らなかった。ただ、南風のせいでむしっとしていたが、それでも朝夕は爽やかな空気に包まれていた。
 ミズキの前の道路には森の木々の折れた枝やら葉っぱやらがたくさん散らばっていて、いかにも嵐の後であった。
 このミズキの下がちかごろやかましい。
 夏だから蝉の合唱は仕方がないとしても、その道路が二トン車や軽貨物車の休憩場になっていて、彼らが停まりながらまわしているエンジンの音がガラガラと騒々しい。しかしこれについては、僕もついこの間まではそちら側の人間だったので文句を言える筋合いではない。彼らも彼らなりに休憩場所には苦労しているのだ。

 午前中、明日からの外泊に備えて洗濯をして、シャワーついでに頭を刈った。ぽつぽつ伸びてきたところへ今回の脱毛があり、超うずらともぞう状態になっていたのだ。しかしバリカンを当ててもさして刈るほどに髪がなかったのがさみしい。
 ひげも剃ったが、これも剃るというほどなかった。

 午後からは、肺機能の検査があった。
 なにやら筒やマウスピースをくわえさせられて吸ったり吐いたり、命じられるがままにやるのだけれど、限界まで吸うのも吐くのもなかなか苦しいものである。ことに今は咳が出るので、それをこらえながらなのでちょっとたいへんだった。

 主治医と相談をして無菌室へ移動する日が決まった。来月九月の五日である。そして翌六日から前処置の抗がん剤がはじまることになる。
 無菌室は今もう空いているので、ちょっと早めに入ることもできるし、お試し体験でひと晩入ってみることもできるらしいが、カンヅメ状態はできるだけ短い方がよいので、それらは丁重にお断りしておいた。また、無菌室といっても外部から来た人が入れないわけではない。それなりのお作法手順を踏めば入室できるのがまだ救いである。

 外泊から戻ってから前処置開始までの十日間は、とくにやることもないらしい。わずらわしい抗生剤の点滴も昨日で終わった。
 外泊は、アパートに戻っても落ち着かないので、母親には申し訳ないが新宿へ行くことにした。公共交通機関のみを使って行かねばならんので、PCを持って行くかどうするか悩んでいる。柏から新宿まで電車で移動するだけでも大変なのに、ノートとはいえこれがけっこう重いのだ。長編のもうひと仕上げもやりたいし、悩むところである。万が一明日から三日間、この日記の更新がなかったとしても元気に外泊をしているので、どうかそこはご心配なきよう。