今朝は平熱

 台風が近づいているらしいが、今朝の関東はまだおだやかに晴れている。
 台風といえば、むかし長距離トラック時代に台風と競争しながら走ったことがあった。
 夕方関西を出発して翌朝関東着の荷だったのだが、折から台風が接近しており、西から暴風域になっていた。トラック十台口くらいの荷で、それぞれ別々に走っていた。
 僕が出発したころには暴風雨域はすぐ後ろまで迫っていた。ワイパーも効かないような大雨の東名を必死に走った。
 雨というよりは滝に近かった。滝は上から横から容赦なく押し寄せ、高架部分では下から吹き上がってきた。
 透水性の舗装も排水が追い付かず、大きな水たまりがそこここにあり、そこへ突っ込む度に大きくハンドルを取られるので、暴れるハンドルを必死に押さえつけながら走った。
 静岡県内では時間あたり百十五ミリという観測史上最大の雨量を観測し、高速は僕が通り過ぎたすぐ後から順次通行止めになった。
 翌朝七時ころに現着したのだが、半分くらいの車は通行止めで到着できなかった。夜中の大雨が嘘のような台風一過の抜けるような青空の下で、ひとり「勝ったな」と満足したものである。
 あれが、長い運転手生活で最大の雨だったが、それも今では懐かしい思い出である。

 体調のほうは、ずっと微熱が続き、夜中に高熱を発するという日々だったのだが、今朝は平熱に戻っている。このまま熱が去ってくれればよいのだけれど。