四人四様749号室(抗がん剤終了\(^o^)/)

 本日、午前十時をもって、予定どおり抗がん剤治療が終了した。
 重い点滴ポンプが点滴棒から外され、点滴棒は水の点滴一本吊りとなった。僕の胸からも心電図モニターが外された。
 めでたい、めでたい。熱もすっかり下がったし、さっぱりと身軽になったので、さっそくミズキへ行って、心ゆくまで森の空気を吸ってきた。
 
 さて、普段はよっこらK氏を除いていたって静かな749号室なのであるが、時たま椅子を並べて懇談会になることがある。
 昨夜、サダセーネンを交えて久しぶりに懇談会になった。彼は自衛隊だと言ったが、なんとパイロットだったのだ。正確には、パイロットを目指してアメリカまで行って訓練をしている最中に病気になり、それを断念して市ヶ谷の防衛省での勤務に変わったのだというから、おそらくエリートなのであろう。
 
 彼は着ているものからして、われわれのようなよれよれパジャマではなく、いつもピシッとTシャツにジャージの短パンである。そして毎朝、洗面所でしっかり寝癖を整え、ベッドを離れる時にはスニーカー。そのまま街に出られるような恰好が彼の病室でのスタイルなのだ。ひとり言や寝言や文句などはひとつもいわず、普段はいたって寡黙で、看護婦に対する受け答えも「はい。はい」と丁寧である。そんな好青年であるゆえ、四十五歳ではあるがとても中年にはみえないので、あくまでセーネンなのである。
 
 セーネンは白血病の前段階の、なんだか病(病名を聞いたが覚えられなかった)というものらしい。しかし骨髄移植をするという。念が入っている。もっとも年齢的なことや、病気の種類でずい分予後が違うので、予後のかなりよいタイプなのかもしれない。いずれ白血病へ移行する可能性が高いなら、まだ軽いうちに完全にやっつけてしまおうという主治医の作戦なのだろう。彼の主治医は僕と同じドクターなのである。

 そんなわけで四人四様の病気で(僕とイーダさんは同じ病気だがタイプが違う)、治療法もそれぞれ少しずつ違う四人が集まった、今の749号室なのであった。