錦織くん、残念だったね

 完全徹夜をしてしまった。テニスの錦織くんの試合が見たくて。
 試合は夜中の三時からだというので、がんばってそれまで起きていたのだけれど、試合が終わったらもう五時をまわっているじゃないか。入院して初めての完徹であった。しかし病室でも完徹できるのだということがわかってよかった。
 
 ところがあろうことか試合の最後の山場のところが、NHK地デジの第二チャンネルに移行してしまったので、僕の必殺ワンセグチューナーでは見られなくなってしまった。あわててカードを買いに行って備え付けのテレビに突っ込んでやっと映ったと思ったら試合は錦織くんの負けですでに終了していてがっくりした。
 あまりに悔しいので、HDMIケーブルでテレビとパソコンとをつないでデュアルモニターにしてやった。そして今、テレビの大きな画面でこれを書いているのだ。最近のテレビは解像度がよくなっているのでパソコンのモニターとしても十分使用に耐える。画面が大きくなった分書くのがらくちんである。ふんっ。カードを買ったってテレビはパソコンで見るのだから、カードを使うのはこの日記を書くときくらいのものだろう。ざまあみろである。なにがざまあみろなのだかよくわからないが。
 
 ところでテニス。錦織くんも日進月歩で強くなっている感があってすごいと思うけれども、やはり世界のトップ、二位、三位あたりとはもうひとつ格が違うという感じがした。彼らはまるで超人である。テクニックもさることながら、試合運び、精神力、勝負強さ、どれをとってもまだまだ一枚も二枚も上手なのだろう。しかし日本人の選手がそういうところで戦っているというのが、もう日本のテニス史上の快挙なのだ。
 
 僕らが若かったころは、ビヨン・ボルグとか、ジョン・マッケンローが全盛のころだった。あのころはいかにもスター選手を見る感じで見ていたのだけれど、錦織くんの場合はどこかちょっと違う。
 同じ日本人だし、僕が歳をとって彼がまだまだ若いせいもあるかもしれないが、彼のインタビューの自然体さ加減、威張らない素直な物言いや振る舞いから、なんだかとなりの息子さんでも見ているような、とても身近な存在に感じるんだな。ほんとうに彼はえらいと思う。今の自分の地位や実力におごることなく、まったく謙虚で、いつもほんとうに自然体である。あらゆるスポーツ選手のなかで、ああいうタイプの選手は今までいなかったように思う。
 
 まあそんなわけで、錦織くんのおかげでパソコンがデュアルモニターになった。ついでにベッドまわりもちょっと模様替えした。今日はどうせ昼間に眠ってしまうのだろうから、ベッドのカーテン終日閉め切り生活に挑戦し、さらに一日この部屋から出ない修行にも挑戦してみようと思う。当然タバコも断つのだ。
 できるかなあ。あまり自信はないけれども、いずれやってくる無菌室完全独房禁固状態一歩も外には出られませんよの刑に備えて一日修行をしてみようと思っているのだ。
 結果は、明日の日記のお楽しみということで。