僕は5年生存率10パーセント

 それを聞いたとき、僕の頭のうしろを冷たい風がそわそわと吹きぬけていったような気がした。
 今日、主治医と詳しい話をしたのだ。
 M6と聞いた時点でまあまあ想像はしていたのだが、そこまでひどいとはさすがに思っていなかった。
 
 急性骨髄性白血病にはさまざまなタイプがあって、大きく分けてM0からM7まである。僕のはM6で、これは予後のあまりよろしくないタイプなのだ。で、さらに遺伝子レベルでの検査結果が出たところでの今日の主治医面談だったのだけれど、僕の遺伝子はもうどれもこれもぐちゃんぐちゃんのぎったぎたに崩れているらしい。なのでなにもしなければ二か月くらいで死んでしまうらしいし、抗がん剤治療をしても五年生存率は十パーセント程度だそうだ。
 
 そこで問題になるのが、骨髄移植をするかどうかである。標準治療としてはもちろんやる選択である。主治医もそれをすすめた。
 しかしだ。それをしても十パーセントが飛躍的に五十パーセントとか六十パーセントになるわけではなく、二十パーセントになるだけのことらしい。
 さらに移植手術にはかなりのリスクがあって、それで命を落としてしまう可能性も二十パーセント、うまくいっても重い後遺症に長期間悩まされる可能性もけっして低くないのだ。どれもこれも二十パーセントだらけでちょっと頭がこんがらがってしまうが、重要なところは、五年生存率の十パーセントを二十パーセントにするためにそこまでのリスクを背負うのかというところだ。
 ここが考えどころである。
 
 しばし、じっくり考えてみることにする。



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