あかねちゃんと ポッポちゃん(2)

おうまさんが、またあかねちゃんのほうにくびをのばして、「もっとちょうだいな?」というそぶりをしました。
でも、ふくろうおじさんにもらったにんじんは、もうすっかりなくなってしまいました。
あかねちゃんはちょっとかんがえてから、あしもとにはえていた、やわらかそうなくさをちぎって、おうまさんにあげてみました。
するとおうまさんは、むしゃむしゃとおいしそうにたべました。
ちぎってはあげ、またちぎってはあげ、おうまさんはいくらでもたべてくれます。

あかねちゃんは、すっかりそのおうまさんがすきになりました。
おうまさんも、あかねちゃんがすきになったようで、ときどきあかねちゃんのからだにあたまをすりよせてきます。
ちっちゃなおうまさんでもちからはつよく、そのたびにあかねちゃんはよろけてしまうのでした。
あかねちゃんは、こんどはおそるおそるてをのばして、おうまさんのあたまやくびをなでてみました。
おうまさんは、きもちよさそうにしています。そしてまたあかねちゃんにすりすりしてきます。

「おや? どうやらポッポちゃんとおともだちになったみたいだね?」
うしろからこえがしたのでふりむくと、いつのまにかさっきのふくろうおじさんがやってきて、にこにこしながらたっていました。

「ポッポちゃん?」とあかねちゃんがきくと、おじさんは、
「うん、そのこのなまえはポッポちゃんというんだよ。
ほら、あっちにおなじけいろのおおきなおうまさんがいるだろう、あれがおかあさんうまだよ。
ポッポちゃんは、あのおうまさんからうまれたんだ。
このはるにうまれたばかりだから、まだいっさいにもなっていないんだよ」とおしえてくれました。
「ふうん……」
「ポッポちゃんにのれる?」
と、あかねちゃんは、しばらくかんがえてからきいてみました。
「そうだねえ、ポッポちゃんはまだあかちゃんだから、ひとをのせたことがないんだ。もうすこしおおきくなったら、きっとのれるようになるよ」
「うわあ、たのしみ!」
「それまでに、またあそびにきてもいい?」
「うん、いつでもおいで。そうして、うんとなかよしになっておくといいよ」
「おじさん、ありがとう」
あかねちゃんは、そうおれいをいって、ぺこりとおじぎをしました。

「ありがとうございます。でも、おじゃまじゃありませんか?」
パパがおじさんにそういいました。
「なに、じゃまなもんですか。いつでもいらっしゃい。そうしてほかのうまで、のるれんしゅうをするといいですよ。
あっちのばばでれんしゅうができますからね」

おじさんがゆびさしたほうのばばでは、おとなたちがおうまさんにのっていました。
ポクポクとさくにそってあるいているひと、
はやあしでのっているひと、
わになってはしっているひと。
パカッパカッと、ひづめのおとがきこえてきます。
いつかテレビでみたのとおなじように、みんなたのしそうにおうまさんにのっています。
「あかねものれるようになるかな?」
ちょっとふあんそうにあかねちゃんがつぶやきました。
「だいじょうぶ。れんしゅうしたら、きっとのれるようになるよ」
ふくろうおじさんは、またあかねちゃんのあたまをやさしくなでながら、そういいました。

ポッポちゃんが、またあかねちゃんのからだにあたまをすりよせてきました。
「なかよくしようね、ポッポちゃん」
あかねちゃんは、ポッポちゃんのくびをなでながらそういいました。

やさしいかぜがまた、そよそよとふきぬけていきました。