三谷幸喜と清水ミチコ

 ジェントルという単語を辞書で調べてみると、「優しい、もの柔らかな」という形容詞とある。

 三谷幸喜といえば今をときめく脚本家であり、今年のNHK大河ドラマ真田丸」の脚本を担当している。
 この人を見ていると、そんな表現がじつにぴったりと当てはまり、ジェントルという言葉はまさにこの人のためにあるのではないかとすら感じるのだ。

 およそこの人は怒るということをしないのだと思う。いや、それは人であるかぎり怒りの感情というものが無いわけはないのだろうが、それをあらわにして相手にぶつけるということをまずしないのだろう。それがけっして無理してそういるというわけではなく、生まれついてのそういう穏やかさというか、育ちのよさを感じさせるジェントルマンである。

 片や清水ミチコはといえば物真似でよくテレビで見かけるから誰でも知っていると思うけれども、お笑い芸でありながらもやはりどこか品のよさがが漂っている感じがする。

 この二人がJ-WAVEで『MAKING SENSE』というトーク番組をやっていた。9年も続いた長寿番組だった。
 月曜から金曜の深夜11時45分から0時までの15分枠で、トーク自体は7分くらいだったと思う。テーマはその時々で好きな事を好きに話す、いわゆるフリートーク番組だったのだけれど、その会話がじつに面白かった。

 清水さんは随所でチクチクとかなり辛辣なツッコミを入れるのだけれど、三谷さんはそれをいつもやさしく軽く受けとめる。これが天下の大脚本家かと思うほど威張らず、きわめて飄々としている。
 二人の会話には、随所に笑いがあり、ウィットに富み、聴くものをまったく飽きさせず、まるで春風が吹きぬけてゆくようにさわやかに流れてゆくのだ。
 まさにgentle windである。そういう笑いが僕は好きだ。

 残念ながらおととしの3月いっぱいで終わってしまったが、大好きな番組だった。

 YouTubeに2012年からの分ではあるが残っているので、興味のわいた人はぜひ聴いてみるとおもしろいと思う。
   
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