新春殺人事件(3)

 社会ニュースの中に、記事を発見した。

 17歳の少年が、会社の先輩(22歳)に殺されて、川から遺体が発見されたということらしい。
 主犯の先輩とその他三人は同日に捕まった。
 亡くなった17歳の少年は、裸で、おそらく犯人らに突き落とされたのであろう橋の下の川底で発見されたとのことであった。

 僕は、なんだかちょっと普通の殺人事件とは違った印象をうけた。

 まず、四人が同日にタイホされたということは、彼らは逃亡していなかったのだと思われる。
 そして、遺体が川底から発見されたということは、遺体が発見されてから警察がタイホ状を取り付けたのではなく、それ以外の何事かでタイホ状を取ったにちがいない。そして三人を一斉に──場所はそれぞれ違ったのかもしれないが──タイホしたのだろう。

 遺体は橋の下から発見されている。
 つまり、流されてはいなかったということで、死因は溺死。水深は3メートルほどだったらしい。
 橋の下の川岸には、少年の衣服がまとめて置かれていた。

 故意であれ、過失であれ、人を殺してしまったら、犯人がとる通常の行動は、警察に出頭するか、逃亡するか、やけくそになって自殺してしまうかである。ましてそれが一人でやったことではなく複数なら、今後のことを綿密に相談をするのではないだろうか。もちろんタイホされた後の口裏合わせも含めて。
 ところが彼らは四人とものほほんと逃亡もせずにいて、いっぺんにタイホされてしまった。
 まぬけもよいところである。

 さらに彼らは、おそらく実況見分に行くときなのだと思うが、警察署の玄関から車までの間に四人ともほとんど顔を隠そうとしていなかった。そこを居並ぶテレビ局にしっかり撮影され、全国にその顔をさらしてしまった。
 四人とも、どこにでも居そうな、言ってみればフツーの若者に見えた。

 ともあれ、亡くなった少年はかわいそうだし、冥福を祈るばかりなのだけれども、なんだかいろいろ不思議な殺人事件なのだ。




新春殺人事件(4) - オマエらふざけんなよへつづく